お骨が帰ってきました。

6月10日 はれ


初めに。
前の記事で暖かいコメントを下さった皆様、
本当にありがとうございます。
お返事はまだ書く事が出来ませんが、
私の整理が付き次第お返事を書かせていただきます。



















昨日、PCでブログに記事を書いた後、あたりを見渡すと、
ミケの姿が見えなくなっていて、
気になって探してみたら、
なんと、真っ暗な2階の私の部屋の私のベッド、
しかも、いつもシロが寝ていた場所に陣取って眠りに付いていました。

昨日、ミケはおなかが重くって2階に上がらない見たいな記事を書きましたが
シロを探していて、2階にあがったのかと思うと、胸がまた痛くなります。




私は1階に戻り、簡易なシロの仏間に戻ってきました。
そのとき、ふと、私がいつも使っている1眼デジカメが目に入りました。
何でもかんでも写真を撮って記録している事が習慣になっている所為でしょうか、
今の・・・眠っているシロを写真に撮りたいという衝動に駆られました。

でも、それをどこかで間違いだと言っている自分がいる気がして、
隣の部屋に居た母親に
「今のシロの姿は写真に撮らない方が良いかな?」と聞きました。
もちろん、母親は「撮らない方が良い」と答えました。

シロの今の状況を記憶に焼き付ける。
そして、生きていた頃のシロの姿を思い出す。
写真に残すのは、生前の元気な頃の写真だけでいい、と
そう自分に言い聞かせました。



私は昨日、お風呂から出た後、
父親が作った簡易なシロの仏間の横に座布団を引き、
横に並ぶように座って、上から毛布を着ました。

ダンボールの蓋は開いた状態でいつでも、シロを覗き見る事が出来るのですが、
じっと見るのが辛くて、
ちょっと覗いてシロを確認しては、正面を向いてボーッとして、
またシロを覗いてはボーッとしてを繰り返して
そんなことをしているうちに、いつの間にか眠ってしまっていました。





私がこの日、朝までシロの隣に居たのには訳があります。

PCの記事を書いて居たとき、シロの事をイロイロ思い出していたのです。
そして、ふと気づいたのが、私がシロにどれだけ助けられていたのかと言うこと。
私とシロとの出会いは、私がシロを助ける形でしたが、
その後、私のすぐそばで、一番に私を助けてくれていた存在でした。

私が朝起きて1階に降りてくると、シロも付いて降りてきました。
私がPCを始めると、PCの横や隣の椅子の上に乗って寝ていたり、
私がPCの操作を中断してリクライニングを倒すと、私のおなかの上に乗り、
私がお風呂に行くと、私がお風呂から出るまでお風呂を覗き、
私がトイレに居ると、トイレから出てくるまであたりをウロウロしていました。

今思えば、私が家に居る間、シロはずっと私についてきてくれました。
いつも私のそばに居てくれました。

だから、少なくともこの日だけは、ずっとシロの隣に居てあげたかったのです。

これはお詫びではありません。
ありがとうと言う感謝の思いです。

本当は、シロが夢に出てきてくれるかな? なんて淡い思いもあったのですが、
目覚めたときに、私の記憶には残っていませんでした。

















午前5時45分。
私は目覚めました。
携帯電話のアラームより15分ほど早くです。

座布団を敷いていたとはいえ、
座って眠ってしまっていた所為か、太ももがとても痛いです。

隣を振り返ると、
シロは昨日と変わらぬ体勢で眠っていました。
私より早起きのシロが、眠ったままでした。

いつもと同じ朝ではありませんでした。

ぼんやりとシロを眺めていると、
いつの間にかミケが2階から降りてきていて、
こちらを訝しげに見ています。
私が「おはよう」と言っても、こちらを見ているだけです。

そして、私とシロの周りをウロウロとしていたのですが、
やがてダンボールを覗き込んでシロを確認し、
「ウゥ―――」とうなり声を上げました。
私はすぐに「ミケさん、シロとお別れなんで」と言うと
そのままダンボールから手を離し、またどっかに行ってしまいました。





6時になって、携帯電話の目覚ましのアラームがなります。
既に目覚めていたのですが、その音を合図に私は動き始めました。
シロはやっぱり、眠ったまま。

私は朝ごはんの準備
メニューだけは、いつもと同じで生卵と醤油とごはんとウィンナ。

私の携帯電話のアラームに気づいてか、母親が起きてきて、
ミケのお皿に朝ごはんのキャットフードを入れました。
私は「シロさんのもお願い」と母親に言います。
私が言わなくても、母親はちゃんと御飯を入れてくれていたのだろうけど、
言わずには居られませんでした。

母親はシロさんにも少量の水とキャットフードを与えて、
やがて、キャットフードを棚にしまいました。

そのとき棚に並んだ、猫の缶詰が目に入りました。
この間まで、残り5個ぐらいしかなかったのが、
今は30個ぐらい並んでいたのが見えました。
たぶん・・・昨日朝ごはんを食べに外へ出て、
帰りに寄ったお店で、猫の缶詰を買ってきたのだと思います。
2匹だとすぐになくなるから、安売りの時に大量に、と。





昨日まではリビングでのんびり朝ごはんを食べていたのですが、
今日はキッチンの隣で朝ごはんを食べました。
シロは私の後ろで寝ていました。
こうやって朝御飯を一緒に過すのも、
リビングが猫禁制になって久しぶりだったように思います。

普段なら8時ぐらいまで時間を掛けて体を起こすのですが、
今日は御飯を食べたら、すぐに服を着て、歯を磨いて、トイレ。
準備万端。

ダンボールの中のシロを覗き込んでいると
6時45分ごろに家のチャイムがなりました。

動物の葬儀屋さんがお迎えに来てくれたのです。
約束の時間は7時だったので、約束の時間より15分も早い。
私は、この15分、まだ一緒に居たかったのですが、
葬儀屋さんを待たせるわけにも行かず、シロの顔を眺めて、
ようやく、ダンボールを抱きかかえました。




外には屋根つき軽トラが1台。
開かれた扉にはキレイな白い箱がありました。

葬儀屋さんはダンボールの中のシロを毛布ごと取り出し、
キレイな白い箱に入れました。
シロの周りに衝撃緩和材のパチパチを入れました。
母親がその白い箱の中にシロの大好物のシュークリームを一緒に入れました。
そしてキレイな白い箱に蓋がされ、車の扉が閉められました。

葬儀車が先導し、母親が車を運転しました。
私は助手席に乗って前の車を見つめています。
日曜日の朝ということもあってか、道はすいています。

私の家から15分ほど車を走らせて、鴨川駅。
そこから山に入り、城山温泉を通り抜けて更に山奥へ。
10分ほど走らせてようやく見晴らしの良い場所にペット霊園がありました。





シロは車から降ろされ、小さなプレハブの納骨堂に連れて行かれました。
そこには観音様があり、周りには亡くなられた子達の遺骨が並びます。
そこにやがて線香が焚かれ、私と母親はお焼香を上げさせていただきました。

これで、本当にシロの魂とお別れになります。

母親はシロの眠る箱にお花を入れてあげました。
また母親の目に涙が浮かびます。
私はそっとシロの顔を上げて覗き込みます。
どうしても取れなかった口元の血、口から出た舌、そして半分開いた目。
安らかな眠りとは言えないと思います。
きっと苦しかったのだと思います。
でも、観音様が必ずシロを天国に連れて行ってくれると。
私はもう一度手を合わせ、お願いしました。





シロは納骨堂から続いて火葬場へと運ばれます。
ペット専用の火葬装置でしょう。
大きさは非常に小さく感じました。
シロはその中に入れられました。

装置に点火される前に、手を合わせ、
やがて葬儀屋の手により火が入れられました。





私と母親は隣の待機室でまたされます。
その間、母親と遺骨について話し合いをしました。
納骨をどうするのか。
遺骨はやはり、ちゃんと納骨するものなのですが、
私はまだ心の整理が付かず、すぐに納骨をお願いできないで居ました。

シロさんの魂は観音様がちゃんと極楽浄土に連れて行ってくださいます。
私自身遺骨崇拝などといった考えもありませんが、
やはり私の心がそれを離してくれないのです。

そう言う思いを母親に伝え、
1年間、来年のシロさんの命日まで私の部屋に預かり、
その後、納骨先を考える事に決めました。





やがて、火葬場にシロが入って30分ほど経って、
葬儀屋さんがシロさんの遺骨を持ってきてくれました。

小さなパレットに足や肩、肋骨、顎、頭部と並びます。
どれが喉仏かと探しましたが、ふと、動物に喉仏が無いことに気づきました。
人の遺骨の場合、体の悪かった部分の骨が黒くなるという話がありますが、
シロさんの遺体にそのようなところは見当たりませんでした。

母親と二人で骨壷に、足から順に骨を納骨していきます。
そして、最後に頭蓋骨。
喉仏がありませんので、これがシロの心となります。

葬儀屋さんのお話では、普通、小さな猫などは
火葬の時に骨がボロボロになって、細かくなってしまっているそうなのですが、
シロさんは原型を留めた形で納骨する事が出来ました。

小さな骨壷に白の頭蓋骨を納骨していたとき、
シロってこんなに小さかったんだなぁ なんて変な想いが頭を掠めました。





骨壷は私の手の中に。
母親は車の運転席に。

シロは私の手の中で、私たちの家に戻ってきたのです。
魂は成仏し、天国に行って、その中にはありませんが、
シロの心は骨壷の中にあると、信じています。





時計を見ると、8時20分。
今日はビジネスマナー電話検定Aがあります。
私はシロの遺骨を母親に預けて、
ビジネスマナー電話検定Aを受けるため、家を出ました。
by mikenekohanten | 2007-06-10 19:41 | お知らせ