【カラスビシャク】

7月7日 くもり


にゃんぱち はゆです♪



自然生態園をのんびり歩いていると、お友達のアリさんと遭遇。
植物に非常に詳しい方で、
私の先生の一人と言っても過言では無いほどお世話になった方なのですが、
そのアリさん
はゆさん、カラスビシャクが開花しているよ」と教えてくれました♪

















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【カラスビシャク】烏柄杓
 日本全土に分布が確認されているサトイモ科の多年草。
 日当たりの良い、やや湿った草地を好む。
 花は初夏の頃に付け、仏炎苞(ぶつえんほう)という総苞葉に包まれる。
 その中に肉穂花序と呼ばれる細い花序に付く。
 地中に球茎をつけ、子球から繁殖するほか、
 葉柄の下部などにムカゴを付け、それからも繁殖する。
 漢方薬などでは地中の球茎を利用し、半夏(はんげ)と呼ぶ。

 似た種にオオハンゲと呼ばれるものがあるが、
 一般的にオオハンゲの肉穂花序は緑色をするのに対し、
 本種の肉穂花序は黒色をする点で見分ける事が出来る。

 名まえの由来はその形状から。
 水を汲み出すときに使う柄杓のような形状をするが、
 人が使うにはやや小さいため、カラスが使う柄杓と言う意味で、
 カラスビシャクと呼ばれる。

 サトイモ科
 学名:Pinellia ternata
 別名:半夏(はんげ)、烏の灸(からすのきゅう)
 花期:夏



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非常に面白い形状をしていて目を惹きますね♪

一般的には田んぼの畦や畑などに良く生えるそうで、
ムカゴや地下茎からどんどん増えるため、
農家の方からすると厄介な雑草だそうです(*´▽`*)

ただ、その形状の面白さは尋常ではありませんね。
他の花には無い特殊な進化と言えそうです(`・ω・´)





さて、この特殊な形状の花からはちょっとした受粉行為が行われます。
同形状をしたマムシグサなどのナンテンショウ属に属する植物は
小バエを使って受粉する仕組みなのですが、ちょっと特殊。

仏炎苞(ぶつえんほう)の中には上部と下部で部屋が別れているらしく、
上部の部屋に雄しべが固まって着き、下部の部屋に雌しべが付きます。
蜜を出さずに、代わりに特殊な臭いを出し、集まってくる(花粉を運ぶ)のは小さなバエ。

仏炎苞(ぶつえんほう)の口から入った小バエは奥へと進みます。
しかし、そこには出口が無く、戻ろうとしても付属体の裾があり逆戻りも出来ない。
取り残された小バエは一生懸命暴れて体中に花粉をつけます。

やがて、雄しべの花粉が熟したころ、出口が現れ、小バエは開放されます。
体いっぱいに花粉をつけた小バエはフラフラに成りながら
臭いに誘われ、今度は雌しべのある部屋に入ります。
そこで、受粉が成功するのですが、こちらでは小バエの出口はありません。
確実に受粉するために、花粉を持った小バエを逃がさない仕組みと言えるでしょうか。
結果、雌花のある下の部屋では多くの虫が出れずに死んでいることも多いとか・・・。

何とも不思議な進化と言えますね・・・。





しかしながら、このカラスビシャクは
マムシグサ同様の受粉の仕組みをしているのですが、
下の部屋にも脱出口が開く仕組みになっていて、
最終的にはハエを外へ逃がす仕組みなんだとか・・・

マムシグサに引っかかったハエは命を落とし、
カラスビシャクに引っかかったハエは辛うじて命を脱す。

同じ受粉システムなのに、ハエにとってはこうも結果が違うのですね・・・