IP6:裏づけの無い、擬人化型解説
平成22年4月6日
インタープリテーションのすすめ
「非インタープリテーション・その3・・・裏づけの無い、擬人化型解説」
にゃんぱち はゆです♪
前回の「インタープリターのススメ」では、
実際に活動している環境系インタープリターが陥りがちな
「インタープリテーションだと思い込んで行っている
インタープリテーションでは無い行動」のひとつとして
「持論型解説」を紹介しました。
→にゃんぱち 地球生態園 : IP5:持論型解説
さて、今回は前回の「持論型解説」から
さらに悪いほうに発展した
実際に活動している環境系インタープリターが陥りがちな
「インタープリテーションだと思い込んで行っている
インタープリテーションでは無い行動」のピックアップです。
すでにインタープリターとして活動している人は
自分がそういった傾向に無いか、確認していただければ。
これからインタープリターとして活動する予定の人は
本来の「インタープリター」の姿から離れないように、反面教師に。
そうして、もちろん、
私自身がそういった間違いを起こさないように自戒の念をこめて。
今回、紹介するのは、「裏づけの無い、擬人化型解説」です。
「擬人化」というのは
人間ではないものを人間に変換させて、
人の言葉を話せるようにしたもの・・・。
→擬人観 - Wikipedia
子ども向けの番組に登場するキャラクターは
擬人化されているものが多いですよね。
例えば、しましまとらのしま●ろうとか、
虎を擬人化したキャラクターですし、
ハローキ●ィは、ネコを擬人化しちゃってます。
少しジャンルは違いますが、
ガチャ●ンは恐竜の擬人化ですし、
ムッ●は雪男の擬人化です。
私がちっちゃい頃は、
「おでこの目がねでデコデコでこり~ん」で
めがねで覗いた"物"が人の言葉を喋るって教育番組もありました♪
擬人化をするのには理由があって、
本来喋るはずの無い「物(生き物を含む)」が人と対話することで、
物がどのような意思を持っているのか、
その物がどのような役割を持っているのか、
・・・などを解りやすく説明できるメリットがあるんです。
擬人化自体は、
環境系インタープリテーションとして
有効な手段だといえます。
普通喋らない「自然」を「通訳」しなければいけませんから、
「通訳」を「擬人化」する形で代用している訳ですね。
ただ・・・
「擬人化型解説」を行うには、
インタープリターが肝に銘じておかないといけないことがあります。
それは「裏づけの無い、擬人化型解説」にしてはいけないという事です。
たとえば、最近TVやラジオで流れている公共広告機構ACのCMの1つ。
「リサイクルの夢」とタイトルの打たれたものを紹介しましょう。
→2009年度支援キャンペーン:リサイクルの夢|ACジャパン
簡単にシナリオを解説すると、
なんて感じ。
これだけなら、全然問題ないんですけどね。
これを「インタープリテーションだ!」って言っちゃったら問題があるんです。
シナリオを見ると、単純に言って
「空き缶が新幹線になりたい夢を持っている」なんて
まったく裏づけが無い(裏づけのしようが無い)ですよね。
「空き缶が新幹線になりたい」なんて
リサイクル活動を進めたい人の思いでしかありません。
つまり、もし、インタープリターが
インタープリテーションをするために、
この「リサイクルの夢」のような物語を持ち出したとしたら、
自分の思いを、空き缶に喋らせただけなんです。
通訳でもなんでもありません。
それは、「裏づけの無い、擬人化型解説」なんです。
*注意*
・これは飽く迄「インタープリター」に置き換えた場合の例えで、
・ACの活動の批判ではありません
例によって、「ビジター」と「ゲスト」と
「インタープリター」の関係で例えて説明します。
「ビジター」が日本人で、質問する人
「ゲスト」がアメリカ人で、質問に答える人
「インタープリター」が、その通訳をする人
この例えに「裏づけの無い、擬人化型解説」を当て込んでみると・・・
裏づけの無い、擬人化型解説って言うのは、
ゲストが発言していないことを
あたかもゲストが発言したように誘導している解説方法です。
もっと言えば、
ゲストが発言できないことをいいことに、好き勝手に発言する行為ともいえます。
「通訳」でないことはもちろん、
一歩間違えると、「事実の歪曲」になります。
擬人化型解説自体が
環境系インタープリテーションの世界で使用しやすく、
多用される傾向にあるものなので、
つい、深く「通訳」することなく、
うわべ(裏づけの無い状態)で話しちゃうことがあるんです・・・。
ビジターは基本的に
ゲストの知識が無いわけですから、
無条件でインタープリターが提供する情報を
信じてしまいますよね。
前回に説明した「持論型解説」を
より「自分のエゴ」のために利用した方法と言えます・・・。
環境系インタープリターである以上、
相互理解が活動の前提条件!
「裏づけの無い、擬人化型解説」は、行うべきではないんです!
次回も環境系インタープリターとして、
ついつい無意識のうちにやってしまいがちな
「非インタープリテーション行為」を紹介します♪
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インタープリターに興味がある方、
質問などなども受け付けていますので、コメントしてくださいね。
私に解る範囲であれば、お返事しますよ―――★
インタープリテーションのすすめ
「非インタープリテーション・その3・・・裏づけの無い、擬人化型解説」
にゃんぱち はゆです♪
前回の「インタープリターのススメ」では、
実際に活動している環境系インタープリターが陥りがちな
「インタープリテーションだと思い込んで行っている
インタープリテーションでは無い行動」のひとつとして
「持論型解説」を紹介しました。
→にゃんぱち 地球生態園 : IP5:持論型解説
さて、今回は前回の「持論型解説」から
さらに悪いほうに発展した
実際に活動している環境系インタープリターが陥りがちな
「インタープリテーションだと思い込んで行っている
インタープリテーションでは無い行動」のピックアップです。
すでにインタープリターとして活動している人は
自分がそういった傾向に無いか、確認していただければ。
これからインタープリターとして活動する予定の人は
本来の「インタープリター」の姿から離れないように、反面教師に。
そうして、もちろん、
私自身がそういった間違いを起こさないように自戒の念をこめて。
今回、紹介するのは、「裏づけの無い、擬人化型解説」です。
「擬人化」というのは
人間ではないものを人間に変換させて、
人の言葉を話せるようにしたもの・・・。
→擬人観 - Wikipedia
子ども向けの番組に登場するキャラクターは
擬人化されているものが多いですよね。
例えば、しましまとらのしま●ろうとか、
虎を擬人化したキャラクターですし、
ハローキ●ィは、ネコを擬人化しちゃってます。
少しジャンルは違いますが、
ガチャ●ンは恐竜の擬人化ですし、
ムッ●は雪男の擬人化です。
私がちっちゃい頃は、
「おでこの目がねでデコデコでこり~ん」で
めがねで覗いた"物"が人の言葉を喋るって教育番組もありました♪
擬人化をするのには理由があって、
本来喋るはずの無い「物(生き物を含む)」が人と対話することで、
物がどのような意思を持っているのか、
その物がどのような役割を持っているのか、
・・・などを解りやすく説明できるメリットがあるんです。
擬人化自体は、
環境系インタープリテーションとして
有効な手段だといえます。
普通喋らない「自然」を「通訳」しなければいけませんから、
「通訳」を「擬人化」する形で代用している訳ですね。
ただ・・・
「擬人化型解説」を行うには、
インタープリターが肝に銘じておかないといけないことがあります。
それは「裏づけの無い、擬人化型解説」にしてはいけないという事です。
たとえば、最近TVやラジオで流れている公共広告機構ACのCMの1つ。
「リサイクルの夢」とタイトルの打たれたものを紹介しましょう。
→2009年度支援キャンペーン:リサイクルの夢|ACジャパン
簡単にシナリオを解説すると、
野原に捨てられた空き缶くんの夢は新幹線になること。
ある日、子どもが空き缶くんをごみ箱に入れてくれたおかげで、
リサイクルされることになり、
無事、新幹線の一部となった・・・。
なんて感じ。
これだけなら、全然問題ないんですけどね。
これを「インタープリテーションだ!」って言っちゃったら問題があるんです。
シナリオを見ると、単純に言って
「空き缶が新幹線になりたい夢を持っている」なんて
まったく裏づけが無い(裏づけのしようが無い)ですよね。
「空き缶が新幹線になりたい」なんて
リサイクル活動を進めたい人の思いでしかありません。
つまり、もし、インタープリターが
インタープリテーションをするために、
この「リサイクルの夢」のような物語を持ち出したとしたら、
自分の思いを、空き缶に喋らせただけなんです。
通訳でもなんでもありません。
それは、「裏づけの無い、擬人化型解説」なんです。
*注意*
・これは飽く迄「インタープリター」に置き換えた場合の例えで、
・ACの活動の批判ではありません
例によって、「ビジター」と「ゲスト」と
「インタープリター」の関係で例えて説明します。
「ビジター」が日本人で、質問する人
「ゲスト」がアメリカ人で、質問に答える人
「インタープリター」が、その通訳をする人
この例えに「裏づけの無い、擬人化型解説」を当て込んでみると・・・
ビジター「あなたは、どんな食べ物が好きですか?」
ゲスト「・・・」
インタープリター
「(アメリカ人の人形を持って、腹話術で)
僕は、(アメリカ人)は肉が好きです」
裏づけの無い、擬人化型解説って言うのは、
ゲストが発言していないことを
あたかもゲストが発言したように誘導している解説方法です。
もっと言えば、
ゲストが発言できないことをいいことに、好き勝手に発言する行為ともいえます。
「通訳」でないことはもちろん、
一歩間違えると、「事実の歪曲」になります。
擬人化型解説自体が
環境系インタープリテーションの世界で使用しやすく、
多用される傾向にあるものなので、
つい、深く「通訳」することなく、
うわべ(裏づけの無い状態)で話しちゃうことがあるんです・・・。
ビジターは基本的に
ゲストの知識が無いわけですから、
無条件でインタープリターが提供する情報を
信じてしまいますよね。
前回に説明した「持論型解説」を
より「自分のエゴ」のために利用した方法と言えます・・・。
環境系インタープリターである以上、
相互理解が活動の前提条件!
「裏づけの無い、擬人化型解説」は、行うべきではないんです!
次回も環境系インタープリターとして、
ついつい無意識のうちにやってしまいがちな
「非インタープリテーション行為」を紹介します♪
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インタープリターに興味がある方、
質問などなども受け付けていますので、コメントしてくださいね。
私に解る範囲であれば、お返事しますよ―――★
by mikenekohanten
| 2010-04-06 19:52
| 環境系インプリ