【セイヨウタンポポ】

4月5日 はれ


にゃんぱち はゆです♪



以前、自然生態園で見られる在来種のタンポポ、
【カンサイタンポポ】をご紹介しました。

 →自然生態園へ行こう の ブログ : 【カンサイタンポポ】





この"在来種"のタンポポと対に紹介されるタンポポの一つ・・・
今回は外来種のタンポポ・・・【セイヨウタンポポ】の紹介です♪

















【セイヨウタンポポ】_a0059328_21551070.jpg



 【セイヨウタンポポ】西洋蒲公英
  日本全土に分布が確認されているヨーロッパ原産のキク科の帰化多年草。
  背の高い植物が少ない、荒地や草地を好む。
  見慣れた黄色い花を春から秋にかけて咲かせ続ける。
  花びらの1枚1枚に個別の雌しべを持っている事から、
  その1枚1枚が花である事が解かり、多くの花の集合体である。
  まず細長い雄しべが伸び、その後に先が2本に別れた雌しべが伸びる。
  
  *カンサイタンポポとセイヨウタンポポの見分け方*
   ○日本在来種のタンポポ
     ・春に花を咲かせる。
     ・花のガクに見える総苞片が真っ直ぐ立って花に密着している。
      (花期を過ぎると在来種でも総苞片が反り返るので注意)
     ・綿種が発芽し、花を咲かせるのに数年要する。
     ・綿種を作るのに受粉しなければならない。

   ○セイヨウタンポポ
     ・春から秋にかけて、ほぼ1年中花を咲かせる。
      (雪の降らない地域では冬に花を咲かせることも)
     ・花のガクに見える総苞片がそっている。
     ・綿種はすぐに発芽し、株ができればその年にでも花を咲かせる。
     ・受粉しなくても種を作る事ができる。

   注意)近年、交雑種が確認され、
       総苞片などの見た目だけでは判別できない種もある。

  名前の由来には諸説がイロイロ有るのだが、
  有力な説としては、タンポポの花の形が鼓を連想させることから
  「タン、ポン、ポン」と言う鼓を叩く音を名前の由来にした説や、
  タンポポの白くて丸い綿毛種が
  古い昔に使われていた「タンポ槍」の形に似ていることから言われた説もある。
  本種はその中でも外来種で、ヨーロッパから渡ってきた為、
  セイヨウタンポポと呼ばれる。

  キク科
  学名:Taraxacus officinale Weber
  花期:春~秋(温暖な地では冬にも開花する)



【セイヨウタンポポ】_a0059328_2291364.jpg

















セイヨウタンポポと言えば、
以前にトンデモ地球論で外来種の話をした時に、
例題としてお話をさせていただきました(`・ω・´)

 →自然生態園へ行こう の ブログ : 【はゆのトンデモ地球論】その23





今回はそれに+αしたお話♪

















前回、カンサイタンポポを紹介しましたが、
今回のセイヨウタンポポと見比べて、
「見分け方」以外に、目に見えて解かる違いがあるのに気づきましたか?





それは「花の茎の長さ」です。

















初めにお断りをしておきますが、
茎の長さは決してセイヨウタンポポとカンサイタンポポとの識別点ではありません。
個体差は多くあり、下刈りされた後や周りの草の背の高さなどの条件で
その特徴も変わる事があると思います。
飽く迄、良く見られる点であると考えてください。



・・・では、ご説明しましょう(`・ω・´)





こうやって写真を見比べると、
カンサイタンポポの茎は長く、セイヨウタンポポの茎は短い事が解かります。
しかし、綿毛ができる頃には、
セイヨウタンポポもカンサイタンポポも同じぐらいの茎の長さになります。
短かったセイヨウタンポポが茎を長く伸ばすのです・・・

どうして花の時期の茎の長さがこうも違うのか?

実はこれ、【はゆのトンデモ地球論】その23でお話した
セイヨウタンポポとカンサイタンポポの違いを考えれば、
この特徴の違いもすんなりと理解できちゃいます(`・ω・´)
















まず、在来種であるカンサイタンポポの茎が長い事を考えて見ましょう。

在来種のタンポポは自家受粉しにくい事が言われていて、
また、四季の変化に敏感で、夏の暑さを感じ、春の間しか花を咲かせません。
そのことによって十分にエネルギーを蓄積して
種を熟成させ、秋の頃に発芽し、来年の春に花を咲かせます。

となると、自家受粉し辛いわけですから、
花が咲く時期にできるだけ多くの昆虫に花粉を運んでもらう必用があります。

つまり、春の頃、他の植物より早く大きく育ち目立つ事で、
多くの昆虫を引き付け、花粉を運んでもらう訳ですね(≧▽≦)





では、外来種であるセイヨウタンポポの茎が短いのはどうでしょう?

セイヨウタンポポは自家受粉を容易に行い、
夏の暑さに関係なく花を咲かせては実をつけます。
種は風に乗り広く広がり、季節を関係なく、休眠せずに発芽していく・・・
冬の寒さに弱い傾向にあるが、年中花を咲かせることで知られています。

となると、自家受粉を簡単に行なうわけですから、
他の昆虫に花粉を運んでもらう必用なんて全くありませんよね。

つまり、年中自家受粉で種を作り続けないといけませんから、
無駄なエネルギーを使わないために茎が短いという訳です(*゜―゜)










しかし、このセイヨウタンポポは種の時期になると茎を伸ばします。
もちろん、この理由は解かりますよね。
種を風に乗せて飛ばすには茎が長いに越した事は無いということです♪

ですから、花の時期には別段茎を伸ばす必用の無かったセイヨウタンポポも
種を飛ばす時期にはここぞとばかりに茎を伸ばして種を飛ばそうとするのですね♪

















どうでしょう?
こんな"ちょっと"の違いも"考える事"で面白い先が見えてきませんか(≧▽≦)
これが「生態系的に跡付けの理由」でも良いんです♪
レミングが崖から落ちて自殺する理由なんてのも、そんなものでしょう(≧▽≦)
オットセイの鼻の位置だって後の人の理由付けなんです(* ̄ー ̄)

"科学"なんて考えるところから始まります♪
"観察"だって考えるところから始まります♪

そして、発見が答えであり、新たな発見がその答えをウソとする事もあり、
その答えの新たなる裏づけとなる事もあるんです(`・ω・´)




こう考えると、"地球"ってホントに面白いですよね♪