【映画レビュ】 崖の上のポニョ

2月11日



にゃんぱち はゆです♪
遅まきながら、崖の上のポニョを見ました。

えっと、この間TVでやっていたやつを(・ω・;)ヾ
まぁ、TVでやる前にも1度見てたんだけど、
改めて、見て思ったことを少し書きなぐり!

いまさら感、たっぷり→★







で、そのレビュなんですけど、
まぁ、ネタバレもあるかもってことで、
まだ見てない人は、是非見てから読んでくださいな(`・ω・´)






さて、
そのポニョですが、

この映画のエンディングを迎えて思った感想は2つ。





第一に「気持ち悪い妙な映画だなぁ」ということ、
第二に「実験的な映画だなぁ」ということ。





まず、「気持ち悪い映画」と思ったのは、
この映画の持つ独特な雰囲気から。

映像は柔らかいタッチでありながら、躍動的。
音楽はポップな一面を強く残しながらも、
安心して聞き入ることが出来るクラシカルな面を持つ。
エンディングはハッピーエンドで終わる。

大きな流れでいうと、
実に明快な「明るい面」ばかりが描かれているんだけど・・・



でも、それを演出する数多くの「場面」が不気味でしかたない(・ω・;)ヾ



具体的に、どういうことかというと、
一番わかりやすいのは、ソウスケがポニョを連れてトンネルをくぐるシーン。
そこに至るまでの流れで、あのシーン「必要ない」んですよね。
妙に不気味なシーンを付け足したと言う感じ。
何の前触れも無く、トンネルが現れる。
ポニョがトンネルを嫌がる理由が解らないし、
トンネルを通るとポニョが弱る理由も解らない。
(映画の流れでは、ポニョは元々弱ってトンネルを通らなくても衰弱したんだろうけど)
つまり、象徴的ではあるけど、
あそこで、あれほどまでトンネルを強調付ける必要性が無く、
逆に、妙に「穿ってみてしまう」んですよね。

で、「穿った結果」、
あのシーンであの表現の必要性が
ただ単に、「見てる人を不安にさせるための演出」でしかなかったのかな? と。

個人的には、そのシーンを筆頭に、
「船の墓場」「ポニョが船で赤ちゃんをあやすシーン」など、
妙に、ストーリーとは別にして、
観客に不気味感を感じさせたいシーンが多かったんですよね。

Webにでているレビュでも聞くし、
私の友達も言っていたけど、
なんか、津波の後の世界は、死後の世界っぽく描かれてない?」って。
妙に、「あぁ~なるほど。」って思っちゃいました。



いやぁ、シーンだけでいえば、不気味でもなんでもないし、
穿ってみなければ、死後の世界になんて見えないんだけど・・・。(・ω・;)ヾ
ただ、全体的にコレだけ前向きなつくりなのに、
やっぱり、その裏に見え隠れする黒い色を感じちゃって、
気持ち悪いって思っちゃったのかも。(´・ω・`)



ファンの人は怒るかもしれないけど、
忌野清志郎さんが歌うデイドリームビリーバーに近い感じがした・・・。
(私は、この曲大好きなんですよ)

曲だけ聴くと、ポップで、まったりした雰囲気で、どこかアンニュイ。

そんな中で、歌詞はとても悲しい・・・。
元気になろうとしているけど、悲しい・・・。
深く見れば見るほど、聞けば聞くほど、悲しくなる・・・。

つまり、メロディのイメージ
歌詞のイメージが、
うまくリンクしない奇妙さ。
(忌野清志郎さんが歌うデイドリームビリーバーはアンニュイな点で接点があるけど)

ポニョは、そんな忌野清志郎さんの歌うデイドリームビリーバーの雰囲気に
輪をかけて「黒いものを内に隠している感」を強く感じてしまったのだと思う。

絵の可愛さや音楽の安心さと、
全体が持つ黒いものが、うまくリンクしない奇妙さ・・・。

最後のハッピーエンドを見ても、
やっぱり後味が不気味なほど、気持ち悪い・・・。










んで、私が至った結論が「この映画は実験的な映画だったんだろうなぁ」と。

以前に、駿さんがTVのインタビューかなにかで
僕は、5歳の子にもわかる映画を作りたいと思っていた。
 5歳ぐらいの子は理屈でものを考えていないでしょうから、
 直感的に見て面白いと思えるものを作りたかったけど・・・
 ・・・これは難しかった・・・


言葉尻は違うかもしれないけど、
言っていたのはこんな感じだったと思う。



でも、私が受けた映画の雰囲気は、先に述べたとおり、「妙に気持ち悪い」。

ポニョを見た人は私の友達にもたくさんいた。
いろいろな意見がきけて、
「楽しかったよ」という人もいれば、
「なんか、単純すぎて面白くなかった」という人や
様々な感想を言っていたけど、

私が、「確かに、全体的に子供向けの映像なんだけど、
なんだか、どす黒さがなかった?」と聞くと

半分ぐらいは、「あぁ~、わかるかも」って言う返事だった。



なんだか、見る人を選ぶ映画ってたくさんあるけど、
このポニョもそのひとつなんだと思う。
てか、それが極度に両極端に分かれやすい映画・・・かな?

純粋に映画の「楽しさ」を楽しめる人と、
映画の「表現したいこと」を理解しようとする人。

ポニョを見て「楽しかった」って言った人は主に前者で、
「アクション映画」が好きな傾向にあるんじゃないかな。

ポニョを見て「違和感」「気持ち悪さ」「暗さ」「不気味さ」を感じた人は後者で、
「推理もの」「精神面もの」が好きな傾向にあるんだと思う。
ちなみに、私は後者で、推理もの大好きで、精神面もの大好きで、
何より、「物事を小難しく考える」人ですヽ(≧▽≦)ノ





・・・で、
ここで少し話題が変わるんだけど、

駿さんが残しているコメントで、
もうひとつ興味深いのが、ポニョの公式HPに載っているメッセージ

―――引用ここから―――
「少年と少女、愛と責任、海と生命、
 これ等初源に属するものをためらわずに描いて、
 神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである」

―――ここまで―――――


 →引用元
 →映画「崖の上のポニョ」公式サイト




これを見たときに、また、「あぁ、なるほど。」と私は思っちゃったんね(`・ω・´)




上の駿さんのメッセージを見て、
神経症と不安の時代」ってなんだろう? って思わない?

ずいぶん前に、このHPでも
「トトロの裏話」の考察を記事にしたことがあったんだけど、
覚えているかな?

 →にゃんぱち 地球生態園 : 【はゆのトンデモ地球論】番外編4

この時にも感じたんだけど、
現代の人(・・・に限らないかもしれないけど)って、
物事を「負」に考えるのが得意だよね。
「負」に「負」に考えて、負のスパイラルゾーンだよね。

そんな風に考えずにさぁ、映画ぐらい楽しく見ようよ
・・・って感じで書いた(つもりだった)んだけど、
駿さんはそれを逆手にとったのかなぁ・・・って。





つまり・・・


5歳の子どものような純粋さで見れば、
この映画はハッピーエンドで見られるんだよ。
妙に「神経症」な角度で見ると、不安になるんだよ。

世の中、どす黒いものは絶対どこかに含んでいる。
でも、そんなことにとらわれちゃ、楽しめないよ。

神経質に考えるから、全てが不安に見えてくるんだよ


なんてメッセージを、この映画に含んだのかなぁ・・・って。





子どものときに見た映画と、大人になってから見た映画では印象が変わる
・・・なんて映画は結構多々ある。

身近なアニメで言えば、「火垂るの墓」は代表的。

小さい頃に、この映画を見たら、
セイタさんのおばさんは「意地悪婆」に見えるけど、
大人になって、ある程度社会を経験してくると、
おばさんより、セイタさんに「なんか、身勝手な子どもだなぁ」ていう感情がわいてくる・・・。





実は、駿さんは、その逆バージョンを狙っていたのかも。
ポニョの映画を見て、子どもたちが「楽しかった」と感じたとする。
その子どもたちが大人になって改めてポニョを見たときに「気持ち悪さ」を感じたら?

なんか、ポニョを見て「楽しかった」と思えたあの頃に戻りたいなぁ~ なんて。(`・ω・´)

















何でもかんでも、あっけらかんに考えるのも問題があるかもしれないけど、
楽しいものに「穿っても」しょうがないよ、って話しでした。





バイバイ(*´▽`*)ノシ






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by mikenekohanten | 2010-02-12 01:05 | 雑談